刀工メッセージ

日本刀を通じて伝えたい「日本の心」

平安時代末頃より、日本独特の姿(反りのある湾刀)が「日本刀」と呼ばれて、千有余年。

紅蓮の炎により生まれた玉鋼をもって造られた日本刀は、その神秘性・呪術性を宿す姿に、世界中の人々を魅了し続けています。

戦いの道具でありながら研磨を施し、刀身に表れた木目のような鐡の肌、金の砂を撒いたような明るい刃文に、古人も美や精神性を見い出し、武器としてはもとより、神に捧げる神器として、または邪を払う守り刀として大切に継承されてきました。

私はこの日本独特の日本刀に対する“感性”は、能や歌舞伎などと同様、絶やしてはならない伝統・文化の一つであると考えています。18歳から刀造りの世界に足を踏み入れ、刀と向き合い続けて20年目となる今、日本刀という伝統・文化を後世に継承する担い手の一人として、より一層その役割を果たすことを決意し、2021年に「宗永鍛刀場」を立ち上げました。

目指す作風は、今なおロストテクノロジーと言われ、最高峰と謳われている鎌倉時代の刀剣です。その古来より伝わる刀造りの技法に、独自の技法を融合させることで、古人が日本刀に寄せてきた想いを現代に映し表すことを信条にしています。私が造り出す日本刀を通じて、時代を超えた幽玄な美を感じていただき、「日本の心」に思いを馳せるきっかけとなれば嬉しく思います。

刀工 藤原宗永

動画紹介